2~3月の年度末になってくると、就職や就学等で引っ越しをされる方が多いと思います。
引っ越し先の物件を見つけることも大切ですが、現在の住まいが賃貸物件だった場合は解約の手続もしなくてはなりません。
普段から貸主さんや不動産屋との繋がりがあればいいですが、何年も前に契約した物件だとどこにどのように連絡をしていいか分からない、ということもあるかもしれません。
今回は賃貸物件の解約を行う際の方法を書いていければと思います。
是非とも参考にして頂けると幸いです。
解約の連絡をする
まずは、現在の住まいを解約(退去)します、という通知をしなくてはなりません。
解約の通知は「誰に」、「いつまでに」、「どのように」行えばいいのかを書いていきます。
誰に通知?
基本的には「貸主さん」です。
賃貸借契約は貸主さんと借主さんの契約となるので、借主さんが解約の通知を行う相手は貸主さんになります。
ただ、貸主さんが不動産屋に管理や連絡取次を依頼している場合もあるので、そんな時は不動産屋に連絡をしましょう。
もしくは、最近だと管理している不動産屋のホームページや入居者専用ページから解約通知を行う場合もあったりします。
いつまでに通知?
物件によって異なりますが、だいたいは「1か月前の通知」か「2か月前の通知」の物件がほとんどだと思います。
解約予告の期日は、基本的に契約書や重要事項説明書に明記されているはずです。
手元にある控え書類を確認するといいでしょう。
仮に、手元に控え書類が無い場合や出先で確認ができない場合は、不動産屋等に連絡して確認を行うのも一つです。
私の経験上、8~9割は「1か月前の通知」になっている物件だと思います。
また、色々な事情で今日通知をして今日解約を行いたいとなった場合は、解約予告月分の賃料を支払えば即日解約も可能、と契約書等に書いてあったりもします。
ただ、私自身今まで一度も経験したことがなく、借主さんにとっても即日解約を行うメリットはあまりないかと思います。
どのように通知?
基本的には書面(もしくはメール)による解約通知が必要となるケースが多く見受けられます。
解約の窓口が不動産屋だと、電話のみでの解約通知は受け付けてくれないと思います。
(言った言わないでトラブルになると困るので、、)
だいたいの場合、「解約通知書」や「解約申込書」といった専用の書類が用意されていたりします。
この書類は、契約書と一緒に綴られていたり、契約時や鍵引き渡し時に別途渡されたりします。
手元に無い場合、不動産屋に連絡をすれば郵送やFAXやメール等で送ってくれたりするでしょう。
もしくは、不動産屋に直接来店して、その場で書いてしまった方が間違いがなくていいかもしれません。
解約通知書にはどのようなことを書く?
不動産屋によって異なりますが、解約通知書にはおおよそ次の内容を記入したりします。
- 借主や入居者の氏名
- 物件住所や物件名
- 引っ越し予定日
- 退去立会い希望日
- 解約日(契約終了日)
- 敷金返金先口座
- 退去後の連絡先
要するに、誰がどの物件をいつ解約するかと、精算に必要な情報を書いておけば事足りるかと思います。
また、引っ越し日=退去立会い日=解約日、とすることも可能ですが、引っ越しの時間がずれてしまうと、立会い等のその後予定もずらさなくてはいけなくなります。
可能であれば、引っ越し日から1~2日後に退去立会い日や解約日を設定した方が、ゆとりを持った手続きが可能になると思います。(少しもったいないですが、、)
退去時の立会いは必須か?
必須ではないかもしれないですが、立会いが可能であれば、退去時の立会いを行った方がいいと思います。
理由として、退去時の状況を自分でも確認しておくことで、今後の敷金精算内容の確認がスムーズにいくからです。
退去時の立会い(現地確認)には貸主さんか不動産屋か専門のリフォーム業者が来たりします。
その方達が室内状況をどう捉えるかで借主さんの修理項目が変わってきたりするので、お互いにその場で確認をし合った方がいいでしょう。
借主本人でなくとも、場合によっては代理人が立ち会ったりも可能です。
また最近では、コロナの影響で立会いを行わない方針の不動産屋も見受けられます。
その場合の流れとしては、借主さんから不動産屋に鍵を送って、後日不動産屋が現地確認を行うというものになります。
鍵を送る前に退去時の室内写真を複数撮影しておくと、その後の話がスムーズにできるかもしれません。
敷金精算はどのように行われるか
退去が終わったら、次は敷金精算です。
敷金精算と言う言葉を聞いても、具体的に何をするのか分からない方もいるでしょう。
敷金精算における、おおよその流れを書いていきます。
室内の状態から原状回復の見積もりを作成する
退去時の室内の状態から、入居当時の状態に戻すにはどのような工事が必要かということをふまえて見積もりを作成します。
俗に言う「原状回復工事」というものです。
入居当時の状態といっても新品に戻す訳ではなく、経過年数をふまえた室内状況へどのように戻すか、という考えになります。
東京都の賃貸物件の場合、都が定める紛争防止条例のガイドラインに則って敷金精算が行われたりします。
その他の地域にとっても参考になる指標なので、リンクを貼っておきます。
【紛争防止条例のガイドライン】↓
https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/juutaku_seisaku/tintai/310-4-jyuutaku.htm
原状回復見積もりの負担訳を行う
原状回復工事の見積もりが作成されたら、次に借主さんの故意過失となる補修項目をリストアップします。
要は、借主さんがやってしまった項目については借主さん負担で補修を行い、その他の工事は貸主さん負担、ということです。
だいたいはクリーニング費用(特約に記載があれば)や壁紙や床の補修費用程度で済む場合が多いと思います。
借主負担の見積もり内に、見覚えのない項目や納得のいかない金額が記載されていたら、不動産屋や貸主さんと話し合った方がいいかもしれません。
分からないからといって黙っていると、不要な費用を負担することになり兼ねないので。
敷金との精算を行う
原状回復工事における借主さんの負担金額が確定したら、敷金との精算を行います。
例えば、敷金:15万円、負担費用:4万円だとすると、差額の11万円が返還金額です。
仮に、敷金0か月の物件を契約していた場合、負担費用:4万円を別途支払う流れになります。
負担金額は同じなのに、ちょっと損した気分になりますよね、、
精算とあわせて敷金返還が行われる
解約日が月の途中だった場合、基本的には日割り計算で賃料返還も行われます。
(日割りか否かは、一般的には契約書に記載があります)
例えば、賃料:15万円、4月20日に解約した場合、日割り賃料:5万円が返還対象です。
諸々の精算が完了したら、先ほどの敷金返還分と日割り賃料をあわせて、貸主さんから借主さんへ返還が行われます。
仮に、借主さんの負担費用が敷金を超過してしまった場合は、逆に借主さんから貸主さんに費用を支払わなければならないので注意しましょう。
余談:こんな時どうすればいい?
退去の準備をしていると、意外と傷や汚れが多かったり、何かと心配事が増えるものです。
過去によくあるトラブルをまとめてみたので、よろしければご参照下さい。
引っ越しの見積もり会社をご紹介
解約の通知を行ったら、あとは引っ越しをしなくてはなりません。
既に引っ越し業者を決めた方もいらっしゃれば、これから引っ越し業者選定を行うという方もいると思います。
よろしければ、一括見積サービスを行っている会社を2社ご紹介できればと思いますので、是非ともご参照下さい!
株式会社LIFULL MOVE
CM等で有名なライフルホームズを運営している会社による、引っ越し一括見積サービスです。
色々と比較して割引適用もあるようなので、是非ご利用下さい!
株式会社エイチーム 引っ越し侍
こちらもテレビやラジオCMで聞いたことのある方も多いでしょう。
提携会社数も多く、割引率も期待できますので、是非ご利用下さい!
まとめ
- 事前に解約予告期間や通知方法を確認しましょう。
- 退去立会いは自分で立ち会った方がいいと思います。
- 敷金精算は意外と単純です。
だいたいの方は事前に不動産屋に連絡をして予告期間等を確認されています。
ただ、中には寸前になって解約の連絡を行い、その連絡から1か月後の解約となり余分な賃料を払うハメになる方も見受けられます。
基本的には日割り計算になる賃料ですが、無駄に支払うとなるともったいない気がしますのでご注意下さい。
また、インフラ等の解約もお忘れなく。
それでは。
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