賃貸物件を探すとなると、まずは街の不動産屋へ相談しに行く、という方も多いと思います。
不動産屋の立ち位置は仲介業者となり、あくまで貸主さんと借主さんを仲介する役目になります。
よって、仲介業者に依頼をせずに借主さんが貸主さんと直接賃貸契約を結ぶことも可能です。
最近では、貸主さんが直接物件の募集を行うサイトやアプリも見受けられるようになりました。
直接契約は一見メリットが多いように感じられますが、メリットもあれば当然デメリットもあります。
今回は直接契約をお考えの借主さん向けに注意点を3つ書いていきます。
ただ、必然的に貸主さんにも向けた内容にもなっていますので、是非とも参考にして頂けると幸いです。
重要事項説明が無い
貸主さんと借主さんが直接賃貸借契約を行う場合、契約書は基本的に貸主さんが作成したものを使うと思います。
だいたいは一棟物件を所有されていて、昔から定型の契約書ひな形を流用しているケースが多く見受けられます。
契約書自体は貸主さんが作成したものであろうと、内容に問題が無ければ気にすることはありません。
ただ、仲介業者を通さずに契約するということは、仲介業者の義務である「重要事項説明書」の説明もないということです。
例えば、重要事項説明書に記載があって、おおよその契約書に記載の無い項目は次の通りです。
- 建物の所有者や抵当権等の有無
- 法令に基づく制限の有無
- 警戒区域や防災区域に該当するか否か
- 石綿使用調査や耐震診断の有無
- インフラや室内設備の状況
- 利用の制限
- 管理の委託先
借主さんが直接調べることができる項目もありますが、貸主さんに直接聞いたりしないと分からない項目もあります。
建物の所有者情報等は契約書に記載がないことが多い為、万が一貸主さんと所有者さんが全くもって赤の他人だったとしても、直接契約だと気付く機会がないかもしれません。
(そうそう無いことだとは思いますが)
こう考えてみると、「重要事項説明書」の重要性を感じる次第です。
貸主さんの専門性が欠ける場合もある
仮に、たくさん所有物件の契約を自身で行っている貸主さんがいたとして、ある程度業務経験を積んだ不動産屋に経験値や知識で勝てるか、というとそうでもないと思います。
例えば、私は1年間で平均50件前後の仲介を行っております。
(仲介以外にも入居中物件の連絡取次等を日々行っています)
また、50件の物件(もしくは50部屋)を所有している貸主さんがいるとします。
私は毎年毎年、様々な物件の仲介ややり取りを行っているのに対して、貸主さんは50件を毎年契約するわけではないですし、基本的には同じ物件を順繰りしているだけです。
(所有している物件が1年ごとに解約と契約を繰り返すことは、そうそうないと思うので)
よって、いくら契約や手続きに慣れている貸主さんだからといって、不動産屋の知識や経験には到底敵わないのでは、と私は考えています。
実際、たくさん物件を所有している貸主さんほど、うまく不動産屋と付き合っていて、基本的な業務は不動産屋に一任するケースが比較的多く見受けられます。
おそらく、全ての物件にかかわっていると時間と体力が持たないからだと思います、、
直接契約の物件に住んでいて何かしらの問題が発生した際、直接解決できるのであればいいいですが、話を聞いてくれそうな不動産屋に相談してみれば意外とスムーズに解決策が見出せるかもしれません。
対応のスピード感が欠ける場合もあり
自身で契約を行っている貸主さんも、日中は他の仕事や用があるかもしれません。
借主さんに何か困ったことが発生した際、貸主さんに連絡してすぐ繋がり解決すればいいですが、毎回そうとは限りません。
また、深夜の時間にトラブル(水漏れ等)があった場合、おそらく貸主さんに連絡が繋がらないことも多いと思います。
そうなると、借主さん自身で夜でも手配可能な業者を探すしかありません、、
何かしらの仲介業者がいれば、日中は連絡がとれますし、夜は夜でコールセンターを設けている場合も見受けられますので安心です。
直接契約の物件に住む際は、何かあった時の対応速度に対して、予め目をつむるつもりの方が気は楽かもしれないです。
仲介業者を通した方が無難
以上3つの気がかりを書いていきましたが、総じて言えることは仲介業者を通した契約の方が無難、ということです。
最後に、誰でも聞いたことがあるような賃貸仲介業者をご紹介できればと思います。
(同業者の私から見ても、胡散臭くはない不動産屋だと思います)
【アパマンショップ】
恐らく、「アパマンショップ」の名前を聞いたことのない方はほとんどいないのではないかと思います。
直営店とフランチャイズ店を含め全国で1000店舗ほど、東京都だけでも90店舗ほどの数があるようです。
私自身もよく付き合いのある業者さんとなり、比較的どの担当者さんも良い印象があります。
結局は担当者次第の業界ではありますが、会社の看板が大きければ大きいほど社員の責任感も強くなるはずです。
ネームバリューがある仲介業者の一つだと思いますので、とてもオススメです。
まとめ
- 貸主さんとの直接契約はメリットもあるが、デメリットもある
- 貸主さんだけの対応では心もとないかもしれない
- 仲介業者を挟んだ方が無難
直接契約の最大のメリットは、貸主さんも借主さんも仲介業者への手数料を省ける点が挙げられるかと思います。
お部屋の賃料にもよりますが、確かに数万円や十数万円といった手数料は決して安くはありません。
ただ、目先の手数料を省く代わりに、後々困ったことが起こるかもしれないリスクも考えた方がいいとは思います。
それでは。
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