賃貸物件へ申込を行い、審査過程で「連名契約でしたら相談可能です」と言われた方もいるかもしれません。
もしくは、何かしらの事情でご自身から「連名契約はできますか?」と聞かれることもしばしばあります。
そもそも、「連名契約」って何?という方もいらっしゃるでしょう。
今回は連名契約はどういった時に行うことが可能か、メリットやデメリットもあわせて書いていければと思います。
是非とも参考にして頂けると幸いです。
連名契約とは
連名契約とは、文字通り連なった名義での契約を意味します。
基本的に賃貸契約では1人名義での契約が多く見受けられますが、連名契約の場合は2名以上の名義でもって契約手続きを行います。
連名契約ができるか、できないかは、不動産屋や貸主さん次第としか言いようがないです。
よって、どの物件でも絶対に連名契約ができる、と言い切れないですし、逆にどの物件でも連名契約ができる可能性もある、という解釈もできます。
ただ、だいたいは1人名義で借りられてしまう物件が多いので、連名契約自体が可能であってもあえて連名にしないで契約を行うケースがほとんどかもしれません。
どんな時に連名契約を行うか(具体例)
では、具体的にどのような時に連名契約を行うか、というと次の例が挙げられます。
- カップルでの同棲を考えているが、賃料と1人当たりの年収が噛み合っていない
- 同居人2名それぞれの会社で家賃補助が出る為、それぞれの名義での契約を行いたい
- 複数人でのルームシェアを検討している物件があり、貸主さんから連名契約であればOKという提案を頂いた
などなどです。
おおよその傾向として、1人の収入では心もとないので2人名義での契約を行う、とか、他の入居者に対しても契約上の責任を持ってもらいたい、といった場合に連名契約を行っているように感じられます。
なので、同一生計となる夫婦で連名契約を行う意味はあまりありません。
よって、連名契約であればそれぞれの勤務先から家賃補助が出る可能性がある、という場合でも貸主さんや不動産屋が認めてくれないケースも無きにしもですし、そもそも勤め先が連名契約での家賃補助申請を認めていない、というケースもあるので事前に確認が必要です。
また、ルームシェア等での賃貸契約を行うにあたり保証会社利用が必須だった場合、保証会社から保証契約上の連名契約を求められる場合もあります。
(賃貸契約≠保証契約ですので、ご注意下さい)
もしくは、保証会社ではなく連帯保証人をたてる必要がある物件の場合、基本的には名義人それぞれの連帯保証人を用意しなくてはなりませんので、とても手間がかかるとは思います。
よろしければ、保証会社と連帯保証人に関する記事もご参照下さい。
→賃貸借契約における連帯保証人と保証会社のメリット・デメリット
メリットとデメリット
連名契約を行うことでのメリットとデメリットはおおよそ次の通りです。
メリット
- 名義人1人1人に責任を与えられる(貸主さんにとって)
- 家賃補助がダブルになる可能性がある(借主さんにとって)
- 保証契約を複数人で行っても初回保証料は1名分(借主さんにとって)
デメリット
- 誰か1人の解約や退去で契約解除の可能性もあり(双方にとって)
- 単純に手続きに手間がかかる(借主さんにとって)
正直なところ、連名契約を行うにあたって、貸主さんにとってもメリットはあまりないかと思います。
基本的には借主さんからの何かしらの要望で連名契約を行うことが多いのではないでしょうか。
つまり、借主さん的に連名契約を行いたい場合、相手方(貸主さんや不動産屋)にはある程度お願いするスタンスで諸々の依頼をした方が、スムーズに進む可能性が少しでも高くなるかもしれません。
まとめ
- だいたいは1人名義で借りられることが多い
- 連名契約にはメリットとデメリットがある
- お願いするときは下手にでましょう
私自身、都内で年間50件程の契約を行っていますが、連名契約は年に1回やるかやらないか位の頻度です。
連名契約の理由はルームシェア(もしくはカップルの同棲)か家賃補助がほとんどかもしれません。
手間などを考えると、1人名義に越したことはないかと思いますので、1人で大丈夫であれば、あえて連名にしなくてもいいと思います。
それでは。
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